ふわっふわの毛糸玉のようなダブルコート、
アーモンド型でまるでビー玉のように輝く瞳、
背中でクルッと一巻き・チャーミングなしっぽ、
ピンととがった耳。まさに”生きたぬいぐるみ”と表現するにふさわしい愛玩犬、
それが「ポメラニアン」です。
その愛嬌たっぷりの表情や仕草に魅了されている方は数知れず、
愛犬家でポメラニアンの名を知らない人はいないとさえ言われています。
ポメラニアンは、19世紀に”イギリスのヴィクトリア女王が溺愛した犬”
ということで一躍有名になりました。
日本でも現在、ジャパンケネルクラブ(JKC)の
登録犬数第8位の人気犬種となっています。
ポメラニアンはスピッツ族を先祖に持ち、
北ドイツのポメラニア地方で多く飼育されていた事が、
この名前の由来と言われています。
ドイツでは今も「小型スピッツ」と呼ばれています。
現在のポメラニアンの姿からは想像できませんが、
かつては「ソリ用犬」「牧羊犬」として活躍していた大型の犬種でした。
しかし、”ヴィクトリア女王の愛犬”として人気を得たことで、
それまでも活発だったポメラニアンの小型化に拍車がかかり、現在のサイズに定着、
貴婦人向けの愛玩犬として脚光を浴びることになったのです。
ショー・ドッグとしても常に高い人気を誇るポメラニアンは、
まさに愛玩犬の中の”トップアイドル”といえるでしょう。
ポメラニアンは、基本的に陽気で活発、好奇心旺盛でサービス精神も強い性格です。
いつもコロコロと遊んでいる姿がとても愛らしいですね。
飼い主にも非常に忠実で、何か異変を感じ取ると、
すぐに甲高い声で主人に知らせようとしますので、
小柄な体型ながら番犬としても非常に優秀な犬種です。
ただ、その忠実さゆえに、見知らぬ人にはそっけない態度をとる事もしばしば。
また、プライドが高く、番犬として不可欠な警戒心ももちろん強く、
少し神経質な面も合わせ持っているので、無駄吠えが多いことも確かです。
ポメラニアンは、吠え声の印象が強いと言う方も多いのではないでしょうか?
さらに、マイペースで自己中心的な性格も災いして、
気に入らないことがあると豹変して噛み付いたりすることも。
なぜか子どもに対しては特に攻撃的になることが多く、
小さな子どもがいる家庭には不向きな犬種とも言われています。
見た目にとてもかわいらしいポメラニアンですが、
この「無駄吠え」「噛み癖」などが一部の人に好まれていない要因でもあります。
本来は”朗らかで利口・飼い主に忠実”な犬種ですから、しつけがしやすいのも事実。
こうしたマイナス点も、きちんとしたしつけによって回避することは十分可能です。
そうすることで、ポメラニアンが誰からも愛されるような犬になることは、間違いありません。
ポメラニアンの歴史については、紀元前3000年ほど前に、
アイスランドやラップランドでソリ用犬として活躍していた大型スピッツ族の犬種、
サモエドが祖先だというのが最も多い見解です。
祖先であるスピッツは、体重が14キロ近くありますが、
その後、現在のドイツ・ポーランドにまたがるポメラニア地方に持ち込まれてから
徐々に小型化の動きが始まりました。
ポメラニアンは、1870年イギリスケネルクラブ(EKC)によって認定されました。
1888年に、イギリスのヴィクトリア女王がイタリアを旅行中、
贈り物としてポメラニアンを受け取ったのち、
イギリスに持ち込んだことがきっかけで、一躍脚光を浴びることになります。
1900年にアメリカケネルクラブ(AKC)に認定されてからは、
イギリス・アメリカの両国で、
さまざまな毛色のポメラニアンがドッグ・ショーに登場、会場を沸かせました。
その後、ヨーロッパ各地に渡ったポメラニアンは、さらに小型化への改良が活発化し、
スピッツ族の中では一番小さいサイズへと変化しました。
同時に容姿にもより上品な美しさを求められたことから、
毛糸玉のような被毛がさらに強調されるようになり、
今日のポメラニアンのスタイルが完成されました。
そしてその頃にはそれまでの「使役人」ではなく「愛玩犬」へと変わっていったのです。
日本では、高度成長期の「座敷犬ブーム」で人気に火が付き、
マルチーズ・ヨークシャーテリアと並んで
”愛玩犬御三家”と呼ばれるほどになりました。
日本のペットブームの幕開けを飾ったのです。
しかし、その背景では、利益目的の素人ブリーダーによって、
秩序を無視した繁殖が繰り返され、結果として骨格やサイズに問題のある犬が増加、
またあまり好まれない気質を固定化させてしまったことも
悲しい歴史として残っています。
*日本のブリーダーはポメラニアンから誕生したと言われています。